ユーニックス総合研究所

  • home
  • archives
  • c-gengo-nanido

C言語の難易度はどれぐらいか?C言語歴15年の開発者が解説

  • 作成日: 2022-07-10
  • 更新日: 2023-12-25

C言語の難易度はどれぐらいか?

C言語を書き始めて15年が経ちました。
これからC言語を勉強してみたいと思ってる人にお伝え出来ることがあります。
それはC言語の難易度はどれぐらいか?
ということです。

C言語の難易度は10段階評価で7ぐらいの難易度です。
つまりC言語はわりと難しい部類の言語です。

  • C言語の難易度は7/10ぐらい

なぜそう言えるのか?
またC言語はどのようにすれば習得できるのか?
というところを解説していきたいと思います。

関連記事

目が覚めるC言語のdo-while文の使い方【ループ処理、初心者向け】
明快!C言語のcontinue文の使い方
君はまだC言語のdefineのすべてを知らない【マクロ、プリプロセス】
プログラミングのポインタをわかりやすく解説【C言語】
コードで見るC言語とC++の7つの違い

C言語の難易度は7/10ぐらい

C言語の難易度は10段階評価で7ぐらいの難易度ですがなぜこのような評価になるのでしょうか?

筆者は扱える言語はC/C++, Python, JavaScript, PHP, Rust, HTML/CSSなどです。
複数の言語を扱うことができますがその経験からC言語の難易度をほかの言語と比較して判断できます。

C言語はやさしい言語ではない、というのは言えると思います。
一昔前のプログラマーの間ではC言語は一般的でポピュラーな言語でした。
しかし最近はC言語よりも洗練された高機能な言語がいくつも出ています。

  • C言語は比較的に古く歴史のある言語

またC言語は非常にメモリに近い処理を書くことができます。
そしてメモリ関連のバグも頻発する言語です。
そういった理由でC言語の評価を7/10としました。

最近の言語よりは難しい

C言語はほかの言語よりは難しい言語です。
たとえばPython, JavaScriptなどと比較するとその難易度は高くなります。

これはC言語が静的型付けのコンパイラ型の言語で、低レイヤーの処理を書くことも出来る自由度の高い言語だからです。
またC言語の機能として「ポインタ」というのもありますがこれもC言語の難易度を上げている理由の1つと言えます。

  • C言語は自由度が高い
  • C言語はポインタが難しい

C言語の難易度は比較的に高い方に入りますが実際にほかの言語と比較してみましょう。

他の言語の難易度と比較する

C言語と他の言語を比較するとどうなるでしょうか?
難易度を比較すると↓のような結果になります。

  • C言語 > Python
  • C言語 > JavaScript
  • C言語 > HTML/CSS
  • C言語 < C++
  • C言語 < Rust

つまりC言語はPython, JavaScript, HTML/CSSなどよりは難しい
しかしC++Rustよりは簡単、ということが出来ます。

じっさい筆者も学習して感じたのですがC++やRustを学ぶ前にC言語を学んでいてよかったと思います。
C++やRustの難易度というのはC言語より高いのでC言語で慣らしておいた方が勉強がはかどります。

またC言語から勉強を始めた場合はPythonやJavaScriptなどの言語の習得難易度は下がるでしょう。
そういった意味ではC言語はなかなか良いポジションの言語と言えます。

C言語とPythonの比較

特にC言語とPythonの比較をしてみたいと思います。
C言語はPythonと比べるとかなり習得が難しい言語になります。

理由は↓です。

  • C言語はコンパイラ型言語
  • Pythonはインタプリタ型言語
  • C言語は静的型付け
  • Pythonは動的型付け
  • C言語は例外が無い
  • Pythonは例外がある

C言語はコンパイラ型の言語でPythonはインタプリタ型の言語です。
一般にインタプリタ型よりコンパイラ型の言語の方が難しいと言われています。

またC言語は静的型付けと言って型を書く必要があります。
しかしPythonは動的型付けなので型を書く必要はありません(意図的に型を書く場合もあります)。

またC言語は返り値によるエラー処理が普通です。
いっぽうPythonは例外があります。

Pythonでスタックトレースを出すのは簡単ですがC言語ではむずかしいです。
こういった理由によりC言語はPythonより難しい要素が多いです。

どちらの言語の方が簡単か?

C言語とPythonではPythonのほうが簡単な言語です。
ただ最近のPythonは言語機能が増えているのでPythonのすべての機能を習得するのはむずかしいでしょう。
しかし基本的な言語機能の習得で言えばC言語よりPythonのほうが簡単です。

  • 基本的な言語機能の習得はPythonの方が簡単

たとえば「配列」について考えてみます。
配列は複数のデータをまとめるデータ構造です。

これはC言語にもPythonにもあります。
Pythonの場合はリストと呼ばれているものが配列にあたります。

Pythonのリストは現代的です。
オブジェクトでメソッドが付いていて可変長配列になっています。
そのため特に困ることもないでしょう。

  • Pythonの配列(リスト)は現代的

いっぽうC言語の配列は非常に原始的になっています。
C言語の配列はメモリ上で連続している要素を持つ配列(変数)を定義できるというだけです。
オブジェクトではないのでメソッドなどもありません。

つまりC言語の配列で配列の中の特定の要素を見つけたいとなった場合。
そういう場合はC言語は自力で関数などを書く必要があります。

Pythonのリストの場合はfind()というメソッドがありますのでこれを使えば簡単に要素を探せます。

C言語とPythonの共通性

C言語とPythonの共通性についても見てみましょう。
C言語とPythonは組み合わせて使うことが出来るという特徴があります。
PythonのモジュールはC言語でも書くことができるのです。

  • PythonのモジュールはC言語でも書ける

またPython自体もC言語で書かれて作られているということもあります。
Pythonの実装にはいろいろあるのですがその中のCPythonという実装が一番ポピュラーな実装です。
これはC言語で書かれています。

そういった意味でC言語の技術は将来的にPythonを覚えたらその技術を流用できる。
という特徴があります。

C言語とPythonはこのような関連性、共通性があるわけですね。

C言語を扱えるとPythonの理解も深まる

C言語を扱えるとPythonなどの言語の理解も深まります。
これはPythonがC言語で実装されているからです。

その言語について理解を含めるにはその言語のソースコードを見るのが一番早いです。
その言語がどういったコードでその言語の機能を実現しているのか?
というところはソースコードを見るのが一番確実だからです。

  • 言語のソースコードを見ると理解が深まる

C言語ができるようになるとPythonの実装を読めるようになります。
そうするとPythonがどのように動いているかをソースコードレベルで理解することができます。
(もちろん理解は容易なことではありませんが)

C言語はプログラミング言語を実装するのによく使われる言語です。
C++, Goなども昔はC言語で実装されていました。

そういった意味でC言語を覚えることはほかの言語について理解を深められるという特典を得ることができるということになります。

C言語を習得するにはどうしたらいいか?

それで難易度の高いC言語を習得するにはどうしたらいいのでしょうか?
これは結論としては↓になります。

  • C言語の習得には長い時間が必要
  • 15年やっててもまだ分からないところはある
  • 実践と反復学習が大事

C言語の習得には長い時間が必要です。
また筆者は15年以上C言語に触れていますがいまだにわからないところもあります。
C言語を理解するには実践と反復学習が何より大事です。

C言語の習得には長い時間が必要

C言語の習得には長い時間が必要です。
一朝一夕ではC言語は習得できません。
じっくりと時間をかけてどっしりと腰をすえて学習する必要があります。

  • C言語の習得は一朝一夕ではできない

理由はこれまで述べてきたC言語の難しさが理由になります。
つまり静的型付けでメモリに近い言語で例外が無いというのが理由です。

1週間や1~2カ月でC言語を習得しようとするのは現実的ではないでしょう。
もっと長い時間が必要です。
C言語は古い言語ですが定期的に新しい仕様も追加されています。

そういった意味で最新のC言語を身につけるというのはなかなか難易度が高くなるでしょう。
最新のC言語の仕様はC言語の規格書を読めばわかりますが最新の規格書は英語が普通です。
そのため英語を読めないと最新のC言語の仕様について理解するのは難しくなります。

15年やっててもまだ分からないところはある

筆者は15年以上、C言語をやっています。
それでもまだC言語はわからないところが多いです。

おそらくC言語について完璧に理解するというのはもっと時間がかかることなのでしょう。
最近は規格書も読むようになってきましたが規格書の内容をすべて把握するのはたぶん無理です。

  • 規格書の暗記は無理っぽい

そういった無理を通している人を「人間コンパイラ」などと言ったりもします。
「文法警察」とかもいますがそういう言語の仕様について高い理解力を示す人は開発者から一目置かれることになります。

15年やっててまだわからないところがあるんですから1週間や1~2か月でC言語について知れることはほんの一部分です。
そういう気持ちでC言語を学習されたほうが良いでしょう。

実践と反復学習が大事

C言語の学習では実践と反復学習が何より大事です。
特にC言語を本を読んだだけで理解しようとするのは現実的ではありません。

  • 本を読むだけではC言語は理解できない

じっさいにコードを書きコンパイラに通してエラーを出す。
そしてそのエラーを修正してそれらを反復するというのが大事です。

C言語を習得したらできること

C言語を習得出来たら出来ることは何でしょうか?
C言語を習得したその先になにかがあればモチベーションも上がります。
難易度が高くてもモチベーションがあればやっていくことができます。

C言語でできることは色々ありますが特に取り上げると↓の3つになります。

  • プログラミング言語開発
  • OS開発
  • Pythonのモジュール開発

プログラミング言語開発

C言語はプログラミング言語開発に適した言語です。
じっさいに多くの言語がC言語で開発されています。

たとえば日本産の言語であるRubyもC言語による実装です。
それからPythonもそうです。

  • Ruby
  • Python

Go言語も最初はC言語で実装されていました。

C言語でプログラミング言語を開発するのは非常に一般的です。
最近はRustも人気が出てきててRustで言語開発する人も増えていますが、やはりC言語はまだ人気があります。

OS開発

C言語はUNIXやWindow, Linuxの開発でも使われている言語です。
これらのOSは今の世界を形作っている物の1つと言えます。

それらのOSの底にはC言語が寝そべっているわけです。
そういう意味でC言語はこの世界の底に横たわっている小さな巨人と言うことができるでしょう。

  • C言語は小さな巨人

C言語のお世話にならないで生きることは非常に難しい世の中です。
Linuxなどはスマホでも使われていますしスマホを持っていない人は今どき珍しいでしょう。

Pythonのモジュール開発

PythonのモジュールをC言語で書くことも出来ます。
Pythonはその速度がネックになっていてよく遅いと言われています。

しかしモジュールをC言語で書けば速度も確保できます。
たとえばPythonの画像処理ライブラリのPillowなどの実装はC言語で書かれています。

  • PillowはC言語で実装されている

C言語を覚えればPythonで速いライブラリを開発することも出来る。
そういった意味で非常に優位性のある言語、それがC言語です。

おわりに

今回はC言語の難易度を解説しました。
C言語は比較的に難易度が高い言語ですが習得すれば出来ることが多くなります。
そういう意味で今の時代でもC言語を習得する意味は大いにあると言えるでしょう。

🦝 < C言語マスターに俺はなる!

🐭 < 大メモリリーク時代