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PVがダダ下がり?「CLS に関する問題: 0.1 超」が発生した

  • 作成日: 2022-04-27
  • 更新日: 2023-12-25
  • カテゴリ: SEO

運営中のブログに激痛が走った

私は毎日のようにブログを更新していた。
記事のクオリティにも気を使い、コツコツと毎日記事を書いてブログに公開していた。

去年はたいへん順調で、ブログのPVも右肩上がりだった。
Googleアドセンスにも合格して収益化にも成功した。

私はご満悦。ブログの執筆もはかどる。

しかし、ある時、というかそれは現象として「起こっていた」のだが、私は目を疑うことになった。
ブログのアクセス数の解析にはGoogleアナリティクスを使っている。

そのアナリティクスのアクティブユーザー数を見る。
なんと今年に入って私のブログのアクティブユーザー数は右肩下がりになっていた。

激痛……!

それはまごうことなき激痛である。
なぜアクティブユーザー数が右肩下がりになっているのか?
このままではブログのユーザーが離れる一方だ。
検索順位も下がってしまう。

私は何とかする必要があった。

ブログはサイクルの中に?

サイトを運営したことのない読者のみなさんに説明したいことがある。
それは、ブログのアクティブユーザー数というのは、アクセス数に直結するということだ。

アクティブユーザー数が増えればアクセス数も増える。
しかしアクティブユーザー数が減れば、アクセス数は減る。

両者は関連している。

そしてアクセス数の下がったブログは、収益化が難しくなる。
Googleからの評価も下がり、そのうち検索結果から排除されてしまうことになる。

アクティブユーザー数やアクセス数というのは「サイクル」がある。
それは増えたり減ったりするサイクルだ。

一定期間減ると、また一定期間増える、というのが通常のサイクルだ。

しかし、今年に入ってから私のブログのアクティブユーザー数は右肩下がり。
増える兆候はまったくない。

これは明らかに私のブログに異常が起こっていることを示している。
原因はなんなのか?
私の原因究明がはじまった。

CLS に関する問題: 0.1 超(パソコン)

こういう時にまず見るべきものがある。
それはGoogleの「サーチコンソール」だ。

サーチコンソールにはサイトの問題点や改善案などが表示される。
このサーチコンソールに問題が出ていれば、それを改善すればいいことになる。

ブロガーとしてあるまじき行為であるが、私はこのサーチコンソールの確認をしばらく怠っていた。
そのためブログに発生した問題などもスルーしていた。

ただ私は、良いコンテンツを作ればそれだけでPVが上がると盲目的になっていたのだ。
しかし、それは間違いであった。

じっさいにはGoogleは多角的にサイトを評価する。
そのため良いコンテンツというのは指標の1つに過ぎない。
ほかにも注意すべきところがあるのだ。

私はサーチコンソールの「エクスペリエンス」を見た。
そして「ページエクスペリエンス」をクリックする。

ここにはサイトの健康状態が表示される。
表示されるのはパソコン版とモバイル版の2つだ。

モバイル版は「良好URL」が100%になっている。
私は「そうだろう」と納得する。

しかしパソコン版を見ると、良好URLが99.4%になっていた。
「あれぇ?」と私は首をかしげた。

よく見ると「パソコンに関する主な指標 25 失敗したURL」と表示されている。
これは健康状態の悪いURLが25個あることを示している。

私はこれをクリックした。

すると

改善が必要 CLS に関する問題: 0.1 超(パソコン)

と表示された。
CLS? なんだそれは?

CLSとは

CLSとは「Cumulative Layout Shift」の略だ。
簡単に言うと、ページの表示で要素がどれだけ移動したかを表す数値である。

Googleは検索ランキングのためにコアウェブバイタルというものを使っている。
これは↓の3つの指標のことだ。

  • LCP(Largest Contentful Paint) ... ページの表示速度
  • FID(First Input Delay) ... ユーザー操作への応答速度
  • CLS(Cumulative Layout Shift) ... 描画要素のレイアウトの安定性

この3つの要素がサイトの検索結果の評価の指標として使用されている。
CLSはこの3大要素のうちの1つだ。

描画要素がどれだけ移動したか、というのは例えば↓のようなケースだ。

  • リンクをクリックしようとしたら要素が描画されてずれた

つまりCLSの値が高いほどこういったことが起こりユーザー体験が下がることになる。
ユーザー体験、つまりユーザーの快適度が下がるとそのページの評価は下がる。
これは離脱率が上がってページからユーザーが離れるためだ。

CLSを確認する

サーチコンソールの

「改善が必要 CLS に関する問題: 0.1 超(パソコン)」

をクリックし、「例」にあるURLをクリックする。
すると問題のあるURLが一覧で表示される。

URLの下には「PAGESPEED INSIGHTS」が表示されているのでこれをクリックする。
するとページインサイトが開いて問題のあるURLの検証が始まる。

ページインサイトのパフォーマンス分析が終了すると、FCP, FID, LCP, CLSについての数値が表示される。

いつからCLSの問題は発生していたか?

サーチコンソールのレポートのログを見ると、どうも今年の1月から問題が発生していたのがわかる。
つまり、アクティブユーザー数が右肩下がりになった時期と一致している。

これが原因だろう、と私は確信した。

CLSの問題はなぜ起こるか?

CLSの問題が起こる原因として考えられるのは↓の通りだ。

  • 表示速度が遅い
  • 画像のサイズが指定されていない

サーチコンソールで上がっている問題のURLを見ると、どれも画像を使ったページである。
つまり問題と画像には関連がある。

これは画像のサイズが指定されていないので、画像が描画されるときに他の要素がずれて、CLSの値が上がるということだろう。
ホームページではよくある現象だが、Googleはこれを「悪」としている。

あとはページの表示速度が遅いため、画像の読み込みに時間がかかり、CLSの値が上がるということになる。

ページの表示速度……? あっ!

私ははっとした。
心当たりがあったのだ。

私はアドセンスの広告は自動広告を使っている。
これの広告の配置量をフルで使っていたのだ。

広告を多くすると収益が上がる。
これはテストでもそのような結果になる。

しかしデメリットとして、ページの表示速度が下がるという現象が起こる。
広告は非常に重いのだ。

私はうっすらと遠い記憶に、途中からこの広告の配置量を変更したおぼえがあった。
つまりこういうことだ。

  1. 広告の表示量を増やした
  2. ページの表示速度が下がった
  3. 画像の読み込みに時間がかかるようになった
  4. CLSの値が上がった

どうも原因はこれだろう。
私は納得した。

問題の改善

私は問題の改善として、ページの広告量を減らしてみることにした。
ページの表示速度が上がればCLSも改善される。

ためしにサーチコンソールからページインサイトで検証してみると、CLSも含めてオールグリーン(OK)になっていた。
今はこれで様子を見ている。

実施時期は2022年3月28日だ。
これで効果が出ればそのうちブログの評価も改善されるだろう。

あとは画像のサイズ(横幅と高さ)を指定する施策も必要だが、これは時間がかかる。
ぼちぼちやっていこうと思っている。

追記 2022年4月27日:
施策が効いたのかもしれないが、PVの減少が止まった。
再びブログが成長曲線に乗るようになった。
おそらく今回の施策が効いたのだろうと思う。

おわりに

しかし、CLSの問題がここまでPVに影響するとは……。
まだ他にも問題はあるかもしれないが、とりあえずやるべきことはやった。
あとはGoogleの評価アルゴリズムに期待するしかない。

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