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情報リテラシーのスキルを考える

  • 作成日: 2023-06-12
  • 更新日: 2023-12-24
  • カテゴリ: IT

情報リテラシーのスキルを考える

昨今、情報について必要なスキルが増えるようになってしまった。
我々は情報の海の中にいる。
そして情報にもまれ、情報に自分の判断を左右される。

このような現代において情報リテラシーのスキルは非常に重要であると言える。
よってこの記事では情報リテラシーのスキルについて考えてみたいと思う。
この記事では独自の解釈と用語の定義を用いており、他人にその用語を使っても伝わらないと思うので注意されたし。

情報リテラシーの定義

情報リテラシーとはWikipediaによると情報と識字(リテラシー)を合わせた言葉で、収集した情報を自分の目的に合わせて使用する能力のことを指すらしい。
またコトバンクによると大量の情報の中から必要なものを収集し、活用するための技能を指すということ。

参考:
情報リテラシー - Wikipedia
情報リテラシー(じょうほうりてらしー)とは? 意味や使い方 - コトバンク

つまり「情報を収集してそこから必要な情報を選択し、それを活用する」。
というのが情報リテラシーの定義になりそうだ。

情報リテラシーのスキル

ここからは筆者の独自解釈が多い。
情報リテラシーのスキルについては以下の項目が挙げられる。

  1. 情報の必要性の認識
  2. 情報の収集
  3. 収集した情報の評価
  4. 情報の使用

それぞれについて考えていきたいと思う。

1. 情報の必要性の認識

まず情報リテラシーの出発点として必要になるのが「情報の必要性の認識」である。
我々は普段生活をしていて、情報に流される生活をしていることが多い。

その中で情報の収集と評価の必要性を認識するかどうか、という話である。
たとえば地球温暖化、たとえば食糧危機、などそういった問題に当たって情報の収集が必要だと考える。
それらの問題は自分と関わることがあるので、自分の問題として認識することができる。

この情報の必要性の認識が発現しないと、その後の工程の情報の収集が行われない。
つまり「ハッ! これは情報の収集が必要だ!」と自分でひらめくことがこれに当たる。

一般的にこの情報の必要性を認識できる人はそれほど多くないような気がする。
ほとんどの人は与えられる情報を受け取りそれを信じ活動してしまう。
そこに「疑問」を感じることが大事であり、それがこの工程に当たる。

要は
「なんか最近、〇〇についてのニュースが多いけど、これってなんでニュースが多いんだ?」
とか、
「最近、〇〇についてのニュースが減ったけど、なんで減ったんだ?」
とか。
そういう疑問を感じる心が大事であるといことである。

2. 情報の収集

情報の収集で必要になるのが「情報ソース」である。
情報ソースとは情報を発信する媒体を指す。

情報ソース

「それってどこのソースよ? 本当か?」
と言う時のソースが情報ソースのことである。

情報ソースには新聞、テレビ、インターネット、書籍、SNS、掲示板などが当たる。
情報ソースの注意点としては、ソースによって「バイアス」がかかっていることがあるという点である。

バイアスとは偏りのことで、たとえば政治的に左翼な偏りがあれば左翼的な情報が増え、右翼な偏りがあれば右翼的な情報が増える。
また陰謀論に偏っていれば陰謀論的な情報が自然と増えたりする。
また特定企業の利益に関わっているソースであれば、その特定企業に有利になるような情報が自然と増える。

情報ソースには必ず多かれ少なかれこのバイアスがかかっており、情報の収集者はこのことに留意しないといけない。

情報ソースとして役に立つのが「中立的なソース」である。
どちらの立場にも偏っていないフラットな情報ソースで事実のみを伝えている媒体である。
だがこういった媒体はほぼ無いと思っていいだろう。
情報の発信者は必ずなんらかのバイアスがかかっており、これを除去するのは発信者自身にもできない。

特定の情報ソースに偏ることをやめる

情報ソースにはバイアスがかかっているという前提がある。
そのため特定の一か所のソースに情報について依存すると、そのソースのバイアスをもろに受けることになる。
そうすると自信が特定企業の利益に有利になるように行動をしたり、特定の団体のために活動することになったりする。

よって情報ソースは必ず複数、取ることが必要である。
特定の一か所のソースに偏らず、複数のソースを取りそれらから情報を収集し、その情報を評価する。
これが情報収集では大事になってくる。

企業によるバイアス

特定の企業がスポンサーになっている媒体はその特定企業に有利になるようなバイアスがかかることに注意が必要である。
たとえばテレビはスポンサー企業が付いているので、そのスポンサー企業の悪口や低評価につながるようなことは発信しない。
またSNSも運営する企業が検閲(けんえつ)をかけたりすることがある。自身の企業に不利になるような情報を検閲し、社会に流れないようにすることがある。

検閲とは特定の機関が情報を取り調べることである。

3. 収集した情報の評価

情報ソースから収集した情報を評価する。

評価とはつまり「どの情報が正しいのか?」ということを判断することである。
この評価は自身によって行う。
つまり自分の判断で評価する。
ここの評価が世間で言われている「自分で考える」という部分に当たる。

多数派と少数派

情報には多数派と少数派が存在する。
多数派と少数派のどちらが正しいのか、それは判断が難しい。
多数派が正しい場合もあれば少数派が正しい場合もある。その逆もしかりである。

人間は多数決の社会で生きているので、多数派の情報を正しいと認識するバイアスがある。
そのため「大勢の人が同じことを言っているから間違ってないだろう」と判断することがある。
だがこれは必ず正しい結果になるとは限らないことに注意が必要である。

大勢の人間が間違った判断をして行動をしている可能性もあるわけだ。
だから慎重な判断が求められる。

賛成派と反対派

特定の情報に対して賛成する派と反対する派も見られる。
つまりその情報が正しいか、正しくないか、意見をぶつけているわけである。
賛成派と反対派の意見を調べてどちらが論理的に妥当か判断することが必要になる。

検閲による情報ロスト

国や企業の検閲によって特定の情報がロストすることがある。
たとえばSNSに動画をアップロードしたがのちに削除された。などだ。
これはSNSを運営している企業によってバイアスがかかり、削除に繋がったと判断してもいいことがある。
ただし投稿者自身が削除した場合もあるので判断は難しい。

削除はバイアスによる行動の場合があるので、その情報が特定の立場の人間には都合が悪いということの証拠になる可能性がある。
これは情報を評価するときに判断材料になる場合がある。

長期間にわたって特定の情報がロストしている状態が続けば、それは検閲が行われていると判断してもいいだろう。
つまりその検閲を行っている国・企業の立場がわかることになる。
特定の国・企業の立場がわかれば、情報にかかるバイアスがわかり正しい評価の判断材料になる。

4. 情報の使用

評価した情報をもとに判断を下し、自分で行動をすることである。
この情報の使用による行動は最終的なフェーズになる。
そのためこの前の工程である「収集した情報の評価」を念入りに行っておく必要がある。
この評価によって自分の今後の行動が変わってくるからだ。

また情報を発信すれば他人の行動も変えることになる。
そのため情報の使用には責任が伴う。