インターネットは不自由なのではないかという疑念が浮かんだ

689, 2023-06-22

インターネットは自由？不自由？

インターネットを始めて20数年が経つ。
そこで最近というかさっき思ったのだが、ひょっとしてインターネットは自由な世界ではなく、不自由な世界なのではないか？
インターネットは便利で楽しい世界ではあるが、これは同時にデメリットも生んでいる。

そしてそのデメリットによって苦しんでいる人も非常に多い。
インターネットは世界を変えたが、だがこれは私が思うに不自由な世界である。

私が思う自由の定義は以下の通りだ。
「CRUDが実装されている」

CRUDとはCreate, Read, Update, Deleteの略である。

これらが実装されているものは自由である。
なぜなら人がこの4つの権利を行使できるからだ。

だがデジタル世界では「コピー」という機能がある。

コピーは対象を複製する機能である。
これによってデジタルデータは容易にコピーが可能になっている。

だがこれは同時に、インターネットのCRUDからUpdateとDeleteが機能しなくなるという意味を抱えている。
データのコピーによって複製され色々な所にデータが散らばる。
そうするとそれはもはや更新や削除はできなくなる。

つまりインターネットは本質的にCreate, Readだけの世界であり、Update, Deleteは難しい世界なのである。

だれにでも削除したい過去はある。
だがインターネットはそれを許さない。

データはネット上に残り続け永遠と消えることがない。
だれかのパソコンにデータが保存され、それがアップロードされれば消えることなくデータは永続化される。

インターネットの本質的な問題はこれである。
これが解決されていないのでインターネットは不自由なのである。

なによりもこの問題を生んでいるのが「コピー」という機能である。
デジタルデータはコピーが容易なため、インターネットを根本的に自由にすることはできない。

人々は更新と削除の権利をはく奪されて、作成と読み込みだけしか行えなくなる。

これを解決するにはコピーを排除しなくてはならない。
つまり、パソコンのCPUからデータのコピー機能を無くすのである。

だがそんなことは可能なのだろうか？
CPUからコピーの機能がなくなったら何が起こる？
パソコンにはデータを入れられなくなってしまう。

つまりパソコンは根本的にコピー機能が必須なため、これによってインターネットは不自由になっているのである。
インターネットの不自由さはパソコンの性質的なものであり、同時にパソコンも不自由な機械であるということである。

コピーによって人々の権限は制限される。
コピーが無かった時代は自由な時代だったと言える。

そんな時代はあったのだろうか？
原始人だって隣の原始人の骨の斧を見て、それを見よう見まねでコピーしたりしてたかもしれない。

というか生命だって、DNAだってコピーである。
つまり生命は本質的にコピー機能を備えており、これはつまり我々生命が本質的に不自由であることを表している。

なんてことだ。CRUDの視点から見た時、我々生命は不自由な存在であるというのだ。
我々には根本的に自由がないのだ。

昔の時代はコピーはコストがかかることであるため、コピーされる対象は限定的であった。
たとえば歴史的偉人の日記などは複製されて保管されるかもしれない。

だが現代ではインターネットの普及によって誰でもコピーが容易になってしまった。
コピーしてそれを拡散して問題になり、追い詰められる人が増えている。

コピーという機能はいわば不自由の象徴であり、これを無くさない限りは私たちにはCRUDの自由がないのである。

唯一自由と言えるものが現在では精神世界だけのように思える。
まだ我々の意識はコピーができない。

だから我々の意識は自由であると言える。
つまりこの意識こそが自由で、我々は肉体も含めて行動の結果もすべてが不自由なのである。

精神だけが自由。
作成、読み込み、更新、削除が行える自由を持っている。

いや、待てよ。
精神から削除はできるのだろうか？
「忘れる」という機能は人間にはあるが、一度入り込んだ情報は削除できないのではないか？
ああ、なんてことだ。そうなると精神すら自由ではない。
我々の精神は情報を精神世界にコピーしている。

そしてその情報は私たちの意識に関係なく想起されることがある。

となると私たちは・・・。

そうなると私たち人間は不自由な存在であると言える。
私たちは本質的に自由がないのである。

CRUDの自由が無く、特にUpdate, Deleteの自由がない。
この世界はCRUDの視点から見た時、不自由だったのだ。
私たちは不自由な世界で生きている。