ITお笑い術: お笑いの理論と基礎

555, 2022-09-14

目次

お笑いの理論と基礎

筆者はYoutubeでIT系の動画解説をしている。
そこで動画を解説するときに必要になってくるのが「笑い」の提供である。

笑いがない動画は真面目~な動画になってしまう。
それはそれで需要があると思うが、Youtubeではそういう動画はあまり人気が出ない。

人気が出るのは基本的にふざけた、笑いのある動画だ。

そうなると自分の動画で人気を出そうとすると自然と「お笑いとは何なんだろう?」という疑問に行き着く。
動画に笑いを入れたくても笑いについて無知だとしょーもないことしかできないのである。

結果「笑わせるのではなく笑われる」というスタイルに行ってしまうこともある。
つまり動画でミスをしてそれを笑ってもらうのである。
しかしこれは笑いの哲学的には「下の下」であると言える。

お笑いはあくまで「客を笑わせる」のであって「客に笑われる」のではない。と筆者は聞いている。
テレビに出てる芸人も「客を笑わせる」という哲学を持って笑いをやっている人がほとんどである。

だから動画に笑いを取り入れたい場合は「技術的に」笑いについて理解しなければならない。
この記事はそういう旨の記事である。
つまりIT系のお笑いについて技術的に考えるというのが主旨だ。

注意していただきたいのがこれは解説記事ではない。
独自の研究記事である。
なのでここに書いてあることを実践すれば笑いが取れることを保証するものではない。
その辺は注意されたし。

お笑いの基礎理論

お笑いの理論としてよく知られるのが↓である。

  • 笑いは緊張を緩和することで生まれる

これは落語家の桂枝雀が提唱したお笑いの理論である。
桂枝雀は1939年に生まれ1999年に没するまで落語家として活躍した。
別名を「爆笑王」として知られている。

この理論について考えてみたいと思う。
まず「緊張」とは何か。
そして「緩和」とは何なのか。
というところである。

理論における「緊張」

緊張というのは緊張状態である。
つまり糸がピンと張った状態のことを言う。
これは言い換えると「常識」と言うこともできる。

常識が流れている状態はピンと糸が一本張っている状態である。
みんなの共通認識でだれもがそのことを知っている。
みんなが暗黙の内に了解しているのが常識であり緊張である。

あるいは常識から一歩進んだ状態を緊張ということもできる。
たとえば会社で朝の朝礼というのはいち段緊張状態が進む。
「普通」の状態がまず存在し、その状態からさらに進むと「緊張」の状態になる。

ここで「普通」の状態を緊張と捉えるかどうかは悩ましい話である。
普通の状態が常識によって構築されている状態であるならばそれは緊張状態であると言えるだろう。
普通の状態が崩れるとそれは緩和になるわけである。

笑いでは「事前に緊張状態を作らなければいけないのか」という問題が出る。
そうすると「普通の状態」から客を「緊張の状態」に持っていく必要が出る。

しかし「普通の状態」を常識のある緊張状態と見なせばそういった一段進んだ緊張状態を作る必要も無くなるだろう。
あくまで普通の状態を客に周知させればそれで十分緊張状態は作れるということになる。

理論における「緩和」

緩和とはピンと張った糸が緩む状態である。
つまり緩和とは言い換えれば「破壊」である
「緊張状態」を「破壊する」ことで笑いが生まれるということである。

たとえば先ほどの例では会社の朝礼があった。
その朝礼の時に社長が屁をこいたらこれは緩和であると言える。

朝礼のような真面目な場所でとうとつに社長が大きな屁をこく。
これは朝礼という常識空間、緊張状態のある空間が社長の屁という緩和、破壊によって崩されるということだ。

このように緊張状態が緩和されると笑いが起きるというのが桂枝雀の理論である。

お笑いの基礎

お笑いの基礎としてよく知られるのが次の三つである。

  • フリ

  • オチ

  • ツッコミ

この三つのお笑いの基礎「フリ」「オチ」「ツッコミ」は芸人さんはいたるところで使っているのが見て取れる。
つまりこれは普遍的で使いやすいのである。
一つ一つ具体的に見てみよう。

フリ

桂枝雀のお笑いの理論によると笑いにはまず緊張状態が必要である。
フリはこの緊張状態を作る処理である。

つまり客に「常識を知らせる」のがフリの役割だ。
先ほどの会社の朝礼で言うと、朝礼の前に進行が

みなさんお静かに。これから社長が真面目なお話しをします

と言って客に「ここでは静かにするんだよ。真面目な話をこれからするよ」という常識を知らせるのがフリである。
そこでみんなが静かにしてるのに後から社長が屁をこくというオチをかます。
これはフリで「静かにしなきゃいけない真面目な場所」という常識を客に知らせているから緩和が利くわけである。

オチ

オチとは緩和を作る処理を言う。

会社の朝礼で言うと社長が屁をこくのがオチにあたる。
事前にフリが効いていれば効いているほどこのオチの落差によって笑いが起きる。

よく芸人さんが「フリが効いている」と言ったりする。
これは事前のフリがよく利いていてオチが生きた状態を言う。

つまりいきなりオチをしてもオチの効果は高まらないということである。
フリという前処理がありそれからオチという後処理をすることでオチが効くようになるわけである。

なのでいきなりITのボケをかましてもあまり受けないことが多いと思う。
これはフリが効いていないからであると言える。

ツッコミ

ツッコミとはオチに対する処理である。

ツッコミには二種類あり、一つは

  • 客に常識を知らせる

というもの。
これはオチたときに客に「本当はこうですよ」と常識を知らせることを言う。
たとえば朝礼の例で言えば社長が屁をこいたあとに進行が「社長、真面目なお話ですので」とツッコむ。

そのツッコミのあとにさらに社長が屁を連発すれば面白いかもしれない。
進行が「社長! 真面目なお話の最中ですよ!」とツッコミを入れることもできる。

つまり進行が客(社員)に「ここは真面目な話をする場所で屁をこく場所ではないんですよ」と教えているのである。

このツッコミがあることで客は常識を認識し、常識を破壊しているオチに対して笑いが起きる、ということになる。

ツッコミの種類のもう一つは

  • 普通の処理をオチに変える

というものだ。
つまり意図的でない普通の処理をツッコミによってオチに変えるということである。
たとえば走っている人がいたとする。
その人に「前世はカモシカか!」とツッコむ。
そうするとその走っている人がカモシカに見えてきてオチが付くということである。

フリ・オチ・ツッコミの例

フリ・オチ・ツッコミの例について考えてみたいと思う。

コンパイルエラーオチ

フリ:

コードを書いていてコンパイルをしようとしている実況者。
実況者「さてコンパイルしてみましょう」
実況者「私はコンパイルエラーは出さないですね」
実況者「書くコード全部通っちゃうので怖いぐらいですよ」

オチ:

(実況者がコンパイルエラーを出す)

ツッコミ:

助手「コンパイルエラー出さないんじゃなかったんですか」


この一連の流れはまず「コンパイルエラーは出さないですね」というフリが振られる。
これで客は「それなら今回もコンパイルエラーを出さないのだろう」という常識を認識する。
しかしオチで実況者がコンパイルエラーを出す。これがフリに対するオチである。
そして助手がツッコミを入れる。
これで客は「コンパイルエラーを出さない実況者がコンパイルエラーを出す」というオチを認識する。

英語発音オチ

フリ:

実況者「私は英語が得意でしてね」
実況者「海外留学の経験もあるんですよ」
実況者「もう英語は母国語みたいなものですね」

オチ:

実況者が英単語の発音を間違える。
実況者「それではまずユサージ(usage)関数から定義しましょう」

ツッコミ:

助手「ユーセイジ(usage)ではないですか?」
実況者「……ああ、そうそうユーセイジね、ユーセイジ」
助手「あとあなた海外留学なんてしたことないでしょ!」


これは「実況者は英語が得意である」というフリがまず効いている。
それから自信満々にusageという英単語の発音を間違える。
それを助手がツッコんで間違いを客に知らせる。

このフォーマットの問題点は実況者が海外留学していないといけない点である。
留学していないのにしてると言ったらそれは嘘になってしまう。
漫才やコントというフォーマットならこのウソも問題ないかもしれない。

しかし動画実況ではこのようなナチュラルなウソは問題になるかもしれない。
ツッコミがいればウソを露呈させることもできる。
しかし一人実況などでは難しいだろう。

偶然から生まれたオチ

筆者の動画で興味深いサンプルがある。
↓の動画だ。

この動画ではC言語のenumについて解説している。
非常にまじめな動画である。
しかしアクセス数が多い。
なぜだろうか?

実はこの動画は動画の中で「BREAD(ブレッド、パン)」という英単語をずっと「ブリード」と言っている。
これは私の無学から生まれたものだがなぜかこの動画が他の動画に比べてウケてしまっている。

私なりにこの動画を分析してみたが、この「ブリード」という言い間違いがいわゆる「オチ」になっているのではないかと思う。
真面目な動画でとうとつに実況者が「BREAD」という中学生レベルの英単語を「ブリード」と言い間違える。
そしてそれを延々と続ける。
これが緊張を破壊し笑いを生んでいるのではないかと分析している。

(^ _ ^)

偶然から生まれたお笑い動画

このことからわかることは、真面目な動画というのはフリが効くのである。
フリが効いている状態でオチをすればそれは自然と笑いになる。

だがこれ系の動画はどちらかというと「笑われてる」系の動画であるのではないかという心配がある。
この「ブリード」というオチが意図的なものならいいが私は意図していないこれは素の天然である。

(・ v ・)

いわゆる天然ボケですね

おわりに

今回はITお笑い術の理論と基礎を考えてみた。
お笑いも技術である。
だから技術的な検証が必要であると言える。

(^ _ ^)

お笑いマスターを目指そう

(・ v ・)

ITお笑い芸人




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