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メタバースが流行るために必要なものを考えてみた

メタバースが流行るために必要なものを考えみた

最近よく話題になってるのが「メタバース」と言われるものです。
これは3DCGで作られるオンライン空間のことを言います。
このメタバースが流行るために必要なものを考えてみました。
それは↓です。

  • 低価格なハード、デバイス
  • インターネット環境
  • 良質なコンテンツ、サービス

メタバースそれ自体はただのカテゴリ、ジャンルなのでそのものにコンテンツ性はありません。
ですのでメタバースを流行らせる場合は別に良質なコンテンツが必要になります。
良質なコンテンツが無いと人々はメタバースに参入しないでしょう。

そのためには低価格なハードやデバイス、そして高速なインターネット環境、それらで体験できるサービスが必須になります。
これらが揃わない場合、多くの人がメタバースの世界に移動するのはたいへん難しいと思われます。
この記事では具体的にメタバースはどうしたら流行るのか? 考えていきたいと思います。

メタバースとはなにか?

メタバースとは「meta(超)」と「universe(宇宙)」が組み合わさった造語です。
昔のSF小説で使われているところから来ています。

この小説はSF作家のニール・スティーヴンスンが1992年に発表したサイバーパンク小説です。
「スノウ・クラッシュ」という小説でこれに登場する仮想空間の名称がメタバースです。

1992年というと今から30年前です。
しかしこのメタバースという名称が使われるようになったのはごく最近のことです。
ですがメタバースと呼ばれる作品やサービスは昔からあります。

たとえば1997年の「ウルティマオンライン」というオンラインゲームがそうです。
これはメタバースと言われています。
また2006年の「セカンドライフ」などはまさにメタバースという感じです。

このようにメタバースはオンラインゲームに近いものです。
複数のユーザーがインターネットで繋がって3DCGの空間でコミュニケーションをする。
というのが一般的なメタバースです。

さらに最近のメタバースでは3D空間に企業が出店してユーザーが買い物ができるようになったりもします。

旧Facebook社のMata社が社名をメタバースに関連するものに変えました。
そしてメタバースに1兆円を超える投資を行っています。
これをきっかけにして企業がメタバースに参入するケースが増えることになりました。

そして最近では参入企業を筆頭に色々な媒体がメタバースを盛り上げようとしています。

メタバースとオンラインゲームの違い

メタバースとオンラインゲームの違いはなんでしょうか?
実はこれは明確な違いがありません。
メタバースはほぼオンラインゲームに近いものです。
3D空間でユーザー同士がコミュニケーションを取り、企業が販売する商品をメタバース世界を通じて購入する。

メタバースの作品と言われるものはほとんどがオンラインゲームです。
たとえば先ほど紹介したウルティマオンラインやセカンドライフもそうです。
最近では「FF14」や「あつまれ!どうぶつの森(あつ森)」などがそうです。
これらもメタバースだと言われています。

FF14やあつ森ではインターネットを通じてユーザー同士がオンラインで一緒に遊ぶことができます。
一緒に冒険に行ったり、自分の家に招待したりなどの体験を経験できます。
メタバースも基本的にこういった体験と同じものになります。
インターネットで繋がって3D空間でコミュニケーションや買い物。
これがメタバースです。

このようにメタバースとオンラインゲームには明確な違いはありません。
つまり「メタバース≒オンラインゲーム」と言えます。
メタバースというと新しいワードですがオンラインゲームというと馴染みがあるかと思います。

代表的なメタバース作品

代表的なメタバース作品は今まで書いてきたとおりですがまとめてみたいと思います。
↓になります。

  • ウルティマオンライン
  • セカンドライフ
  • FF14
  • あつまれ!どうぶつの森

これらはオンラインゲームですが最近ではNFTなどの新技術を使ったメタバースも現れています。
これは「サンドボックス」というオンラインゲームが代表的です。

  • サンドボックス

またMeta Quest 2などのVRヘッドセットでプレイできる無料のメタバースとしては↓があげられます。

  • ホライゾンワールド
  • VR Chat

これらの代表的なメタバースはFF14やあつ森などはそのものオンラインゲームです。
サンドボックスなどもそうですね。
いっぽうゲーム性のないコミュニケーションに特化したメタバースとしてはホライゾンワールドやVR Chatなどが挙げられます。

筆者はVR Chatをプレイしてみましたが、これは3Dのアバターを使って行う音声チャットです。
複数人のユーザーが集まってみんなでお互いのアバターやおしゃべりを楽しむというものです。
これはハマっている人も多く日本人コミュニティも存在します。

これらのメタバース的な作品は20年前からの歴史が存在します。
メタバースというと最新のコンテンツのように思えますが実際は昔から存在するコンテンツになります。
それが最近は技術が進歩して新しいブロックチェーン技術なども出てきて盛り上がりを見せているのです。

メタバースは流行るのか?

それでこのメタバースは流行るのでしょうか?
結論を先に言うと、現状としてはかなり難しいと思います。
可能性はありますがそれを実現するのはたやすいことではりありません。

流行るというと社会的な流行になることが条件ですが、メタバースで社会的な流行になっているコンテンツは現状まだ少ないです。
そういう意味ではメタバースは20年以上の歴史があるものの、まだ一部のユーザーが熱狂的に支持しているだけの分野です。
企業は新しいビジネスモデルとしてこれを流行らせようとはしていますが、特に興味のないユーザーをも取り込んでいくのはかなり難しいでしょう。

たとえばGoogleのキーワードボリュームを調べてみると現状では「メタバース 流行る」より「メタバース 流行らない」のほうが多くなっています。
これはつまり世間的にはメタバースは流行らないと見ている人が多いことになります。

そういう意味で現状、メタバースが流行するのはかなり難しい段階です。
これが流行るようになるのはかなり企業などが投資をして頑張らないといけません。
メタバースに興味のないユーザーを取り込んでいく必要があるからです。

社会的流行の定義

社会的流行の定義はどういったものになるのか。
メタバースが流行るとして社会がどのようになったら流行っていると言えるのでしょうか。
これは「お爺さんお婆さんがメタバースをやるようになったら」です。

お爺さんお婆さんは高齢者ですが、高齢者というのは若い人に比べてエネルギーが少ないです。
つまり新しいものに飛びついていく原動力があまりありません。
ですがそういったエネルギーの少ない人もメタバースを使うようになったら社会的に流行っていると言っていいでしょう。

たとえば今の高齢者の方でもスマホを使っている方はいます。
これはスマホが世界的に流行しているからです。
これぐらいの流行レベルだと高齢者をも取り込んでいくエネルギーがあります。

メタバースが社会的に流行っていると言えるのはつまり皆さんのお爺さんとお婆さんがメタバースの話をはじめたらです。
そこまで言ったらかなり社会的にブームになっていると見ていいでしょう。
メタバースにおいてはこの流行が世界的に広がっている必要があります。

現状、流行るのはかなり難しい

しかし現状、やはりメタバースが流行するのはかなり難しいです。
世界的ブームどころか一部の国でブームになるのもけっこう厳しいかもしれません。

なぜかというと、現状の多くのユーザーはかなりメタバースについて冷静な視点を持っています。
多くのユーザーはメタバースについて懐疑的です。
これはGoogleのキーワードボリュームからも明らかです。
また掲示板やSNSなどではやはり冷静で俯瞰的なメタバースへの意見が多いです。

そのためこれらのユーザーの意見を変え、メタバースに積極的な姿勢に変化させるというのは生半可なことではないでしょう。
ユーザーをこのように変化させるにはかなり革新的な体験が必要です。
それこそガラケーからスマホに人々が移っていったような現象が必要です。

メタバースはオンラインゲームの延長線上にある

メタバースというのはオンラインゲームの延長線上かあるいはオンラインゲームです。
ですので市場的にはオンラインゲームの市場が一番近いです。
あつ森は世界で3000万本以上売れましたが、これだけ売れてもまだ社会的なブームにはなっていません。

そう考えるとオンラインゲームに近い市場でそういったブームを巻き起こすというのは至難の業です。
世界中のゲーム会社がそういったブームを起こそうと長年開発を続けていますが、やはりヒット作を生み出すのはとても大変です。
一時期スマホゲームの「ポケモンGO」が流行りましたがそれも一過性で終わりました。
ユーザーに長い間浸透するブームをこういったオンラインゲームに近いコンテンツで生み出すのは容易ではありません。

メタバースの本質に近いものはオンラインゲームにあります。
そしてオンラインゲームの市場は世界規模で言うと20兆円ぐらいです。
ゲームユーザー数は世界で5,273万人ほどです。

あなたの周りにオンラインゲームをやっている人がどれぐらいるでしょうか?

メタバースが流行るために必要なもの

ではメタバースが流行るためにはいったい何が必要なのでしょうか?
これは↓になります。

  • 低価格のハード
  • インターネット環境
  • 良質なコンテンツ、サービス

これら3つの要素がメタバースを流行らせるのに必要な理由は今までの歴史を見ても明らかです。
ゲーム企業は低価格のハードを製造し販売しゲームユーザーの獲得に努めてきました。
そして最近のゲームではインターネットはもはや必須と言っていいものです。
さらにやはり決定的に必要なものは良質なコンテンツ、タイトル、サービスです。

メタバースを流行らせるにはこれら低価格のハードとインターネット、そして良質なコンテンツが不可欠です。
この3つが揃わないとメタバースが世界的な流行を生むのは難しいでしょう。

低価格のハード、デバイス

現在においてメタバースを体験するには↓のいずれかが必要です。

  • パソコン
  • ゲームハード
  • VRヘッドセット

これらのハードは価格で言うと4万から数十万ぐらいです。
パソコンはゲーミングPCは20万以上します。
ゲームハードは3~5万ぐらいです。
VRヘッドセットはMeta Quest 2が5万ぐらいです。

これらのハードはまだ高いと言えます。
もっと安くならないといけません。
特に昨今の日本においてはお金は大変な貴重品です。
娯楽品にお金をかける余裕を持っている人は多くはありません。

ですのでそういったお金がないユーザーも取り込むにはもっと安いハードが必要です。

インターネット環境

さらにインターネット環境は必須です。
現在はゲームもインターネット接続できるのが当たり前になってきました。

メタバースにおいてはゲーム性よりもコミュニケーションに重点が置かれています。
ですのでインターネット無くしてメタバース世界の体験はありえません。

メタバースにはインターネットが必須です。
つまりインターネット契約が必須になります。

良質なコンテンツ、サービス

そしてこれが一番大事な点ですが、なによりも良質なコンテンツが必要です。
あつ森のようなヒットタイトルがもっと必要です。

ユーザーをどれだけ取り込むかはこのコンテンツにかかっていると言っていいでしょう。
Webサービスで言うとTwitterやYoutubeのような巨大サービスが必要です。

こういったコンテンツがメタバースに生まれないことにはユーザーは入ってこないでしょう。
3D空間で他のユーザーとお喋りできるだけではそこまで魅力的とは言えません。
なにかもっと新しい体験が必要です。

この体験を生み出すのは開発者の仕事になります。
ですからメタバースの成功はこういった開発者たちにかかっていると言っていいです。

おわりに

今回はメタバースが流行るために必要なものを考えました。
現状、メタバースが流行するのはけっこう難しいと思います。
ですがハードとコンテンツによってその可能性は広がっていくでしょう。

さいきんはMeta社がMeta Quest 2などの手に入りやすいハードを販売しています。
こういったハードがもっと増えればメタバースももっと面白くなっていくと思います。

🦝 < メタバースが流行れば面白いけどね

🐭 < 流行らせるのはけっこう大変