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メタバースは流行るのか?個人開発者の予想

メタバースは流行るのか?個人開発者の予想

皆さんは「メタバース」は知ってますか?
さっこんニュースなどでよく取り上げられるようになったワードです。

メタバースとはどういうものなのか?
そしてメタバースは流行るのか?

個人開発者である筆者が具体的に考えていきたいと思います。

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メタバースとは?

メタバース(Metaverse)とは3次元の3D空間とそこで展開されるサービスのことを言います。
簡単に言ってしまうと3Dオンラインゲームに近いものです。

メタは「超(Meta)」から来ていて、バースは「宇宙(Universe)」から来ています。

最近やたらと新しい技術なんじゃないかと取り上げられていますが、実際は既存の技術の組み合わせでできています。
それは

  • インターネット
  • 3DCG

などです。
これと合わせて

  • VR
  • ブロックチェーン

という技術も組み合わされて使われることがあります。

メタバースでは人々が3Dの「アバター」の姿で交流します。
そして企業などが出店する3D空間上のお店で買い物が出来るようになります。

なぜメタバースは注目されているか?

メタバースは20年近くの歴史があり、昔からよく利用されてきました。
昔はメタバースという名前は市民権を得ておらず、ひとくくりにオンラインゲームと表現されていました。

なぜここにきてメタバースが注目されているのか。
それは既存の技術の進化によって、メタバースがビジネスモデルとして機能する可能性が出てきたからです。

昔の3Dオンラインゲームは3DCGもチープでインターネット速度も低速でした。
そのためビジネスを展開するにはあまり良い土壌とは言えませんでした。

しかし昨今の技術力の進化によってインターネット速度が上がり、そしてきれいな3DCGも使えるようになりました。
そしてVRやブロックチェーンなどの新規技術も登場し、ますますメタバースの付加価値が上がるようになりました。

こういった条件が揃うようになり、メタバースが新たなビジネスの市場として期待されるようになったのです。

企業が3D空間にお店を出店するには、3DCGを用意して場所代を払うだけで済みます。
つまり物理的な制約が必要なくなるということです。
そのためコストが大幅に下がり、リスクも少なくなります。

メタバースに大量のユーザーが流入してそこで買いものをする人が増えれば、企業も儲かるという寸法です。
それもインターネット空間なので、お客さんは世界中からやってきます。
小さな日本の企業が世界向けに商品を開発して、それが大ヒットするというのも夢ではなくなってくるわけです。

まさに企業からすると夢のようなマーケットといえます。

ユーザーからするとメタバースはどうか?

企業の視点で見るとメタバースは魅力的な市場です。
ではユーザーの視点ではどうでしょうか?

ユーザーはメタバースで他のユーザーと交流することができます。
さらにブロックチェーンを使っているメタバースであればNFTなどでメタバース上で自分の資産を持つこともできます。

メタバース上で自分の資産を持って、それを暗号資産で取引することで、なんとメタバースを使ってお金儲けすることもできます。
じっさいに「The Sandbox」などのゲームは「メタバース × ブロックチェーン × NFT」の世界観です。
このゲームではボクセルアートという3D作品を作ったりゲームを作ったり、LANDという土地を所有することができます。

すでにこのゲームのLANDは高値で取引されている状態です。
リリース直後に比べてLANDの価値はすでに何十倍も上がっています。

こういったゲームに投資することで、自分のメタバース上の資産を増やすということも可能になってきます。

また、有名なアーティストがメタバースに参加して、そのアーティストとユーザーが交流をするということも可能になります。
現実空間だとセキュリティの関係でそういった交流は難しいことが多いですが、メタバース上ではそういった制限もなくなるわけです。

などなど、ユーザー目線から見てもメタバースは魅力的と言えるかもしれません。

それで、メタバースは流行るのか?

それではここからメタバースが流行るのか、という点を検証していきたいと思います。

筆者は2か月ほど前にメタ社(旧Facebook社)の製品である「Oculus Quest 2」を購入し、メタバースデビューしました。
それを使った経験なども踏まえて考えたいと思います。

まずメタバースに分類されるソフトウェアとして、「あつまれ どうぶつの森」があげられます。
このゲームは任天堂のゲームですが、メタバースだと言われています。

このゲームは世界中で3000万本以上の売り上げを記録しました。
そういう意味ではこのゲームは大成功しています。

しかし、これほどの売り上げにもかかわらず、いわゆる「社会への浸透性」を考えると「あつ森」と言えどもそれほど深くはないという印象です。
社会的な流行といえば、たとえば過去のブームにおける「アラレちゃんブーム」などが挙げられます。
街中でアラレちゃんのマネをしている人々が増え、社会的なブームと言える状態になりました。

ブーム(流行)と言ったらこのレベルのブームになることが必要です。
メタバースにはその可能性はあるのでしょうか?

つまり街中でVRヘッドセットをつけて、メタバースに没頭している人々が現れるぐらいのブームです。
筆者はいまのところメタバースにそれほどの魅力があるのか、疑問を持っています。
詳しく見ていきたいと思います。

メタバースがプレイできる環境は高価

現在、メタバースをプレイするには↓の選択肢があります。

  • パソコンを買う
  • ゲームハードを買う
  • VRヘッドセットを買う

パソコンを買えば「FF14」などのメタバースを体験することができます。
そしてゲームハードであれば「あつ森」などのメタバースです。
VRヘッドセットであれば「VRチャット」などのメタバース空間に参加できます。

これらのハードはパソコンであれば4~20万円ぐらい、ゲームハードであれば3~5万円、VRヘッドセットであれば5万円ぐらいから購入できます。
これらのハードはパソコンをのぞけば娯楽製品です。
つまり生活必需品ではありません。

つまりメタバースの入り口に立つにはある程度お金を出さないといけません。
これがスマホを利用したメタバースであれば、その導入の入り口は広くなるのですが、現在のメタバースへの入り口はけっこうせまいです。

つまり「よしメタバースやるぞ」というユーザーの「決意」が必要になるわけです。
この決意を果たして、ブームになるぐらい世間の人々がしてくれるのか? という点に疑問があります。

メタバースのコンテンツはまだ貧弱

それからメタバースのコンテンツですが、まだまだ貧弱です。
メタバースにはゲームなどもありますが、これらは基本的にお金を払う必要があります。
例外としては「VRチャット」などの無料ゲームがあります。

メタバースを通じて得られる経験というのは特殊なものでなければいけません。
つまり既存のゲームと同じような経験は人々は求めていないということです。

VRヘッドセットを買って、ゲームができます。
というのじゃ「ゲームなんてヘッドセット無くてもできらぁ!」となってしまいます。

つまりメタバースのコンテンツに中毒性がなければいけないんですね。
この中毒性を生み出せるコンテンツを開発者は生み出せるのか?
という点になるわけですが、これは既存のインターネット市場と同じことです。

つまりブームを起こせるコンテンツは開発者の腕にかかっているということです。
私も使ってみましたが、今現在のメタバース自体にはそれほど目新しい体験というのはありません。
それらは既存のオンラインゲームの延長にあるものです。

これがこれからさらに発展して、新しいユーザー体験を生み出せるようになれば話は変わるかもしれません。

新しい体験が必要

メタバースで新しい体験となりえるものは「VR」や「ブロックチェーン」です。
これらの複合した体験こそがメタバースにおける新しいユーザー体験になりえます。

しかしこれらも慣れてしまうと、それほど中毒性はありません。
やはり必要なのは中毒性のある、ブームを起こせる「サービス」です。

たとえばWeb2.0ではTwitterやFacebook, Youtubeなどが社会に浸透したサービスでした。
こういったサービスがメタバース、そしてWeb3.0の世界で誕生するか? というところです。

大人になってゲームから離れる人が増えるのは、ゲームに熱中できるエネルギーが無くなるからです。
つまり世界的なブームを起こすにはそういったエネルギーが減少しているユーザーも取り込んでいく必要があります。
これに一番マッチしているのがハード面ではスマホ、そしてサービス面ではYoutubeになると思います。

これ以上の新しい体験をメタバースが生み出せればブームになる可能性はあるでしょう。

おわりに

今回はメタバースは流行るのか? というところを考えてみました。
メタバースが流行れば一挙に世界のビジネスの形が変わる可能性があるため、企業も流行らせようとしています。
しかし、ユーザーはいつだって冷静です。
はたしてそういったユーザーをメタバースは取り込んでいけるのか?
これからのメタバースに注目したいところです。

🦝 < 今のところメタバースは流行らない可能性のほうが高い

🐭 < 流行れば面白い世界になりそうだけどね