Web3.0の問題点とは?
- 作成日: 2022-06-29
- 更新日: 2023-12-25
Web3.0の問題点とは?
最近はWeb3.0が世間を賑わせていると言えます。
このWeb3.0についての問題点を考えてみました。
- Web3.0の問題点について考えてみた
Web3.0のデメリット、問題点を考えるのはWeb3.0を検証するのに大事なことと言えると思います。
結論から言うとWeb3.0は問題点がけっこう多いです。
もちろんこの問題点はこれから解決されていく可能性もあります。
しかしWeb3.0が流行るかどうかかなり未知的と言えるかもしれません。
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Web3.0の問題点とは?
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データの削除・変更ができない場合がある
Web3.0はブロックチェーンという技術を使っています。
このブロックチェーンの特徴としてデータの削除や変更がきわめて難しいという点があげられます。
- Web3.0の使うブロックチェーンはデータの削除・変更が難しい
Web3.0は分散型アプリが動く世界です。
この分散型アプリもブロックチェーンの上で動きます。
そうすると分散型アプリが保存するデータはブロックチェーンに書き込まれる可能性があります。
そうなるとブロックチェーンの特徴から書き込まれたデータは削除・変更ができなくなるという場合がありえます。
もちろんこれはブロックチェーンのメリットであり同時にデメリットです。
黒歴史が永遠に残る?
お察しの通りですが人間だれしも黒歴史を作るものです。
みなさんもSNSで恥ずかしい投稿をしたことがある人も多いのではないかと思います。
しかし分散型アプリのデータの保存方法によっては、その黒歴史もブロックチェーンに書き込まれる場合があります。
そうなると黒歴史が永遠に残っちゃうということになります。
- 黒歴史が永遠に残る
じっさい、すでにTwitterのツイートをNFTにするツールも登場しています。
みなさんの黒歴史がブロックチェーンに保存されるわけです。
人の心情としては黒歴史は消し去りたいものです。
しかしそれが叶わないのがWeb3.0ということですね。
- Web3.0は黒歴史を消せない世界
悪意のある人が悪意のあるデータを投稿したら
それで問題になるのが悪意のある個人の存在です。
たとえば人から恨みを買われてしまった人が、相手に自分の個人情報をばらまかれたというケースはよくありますよね。
そのばらまかれた個人情報も消せなくなる可能性が高いのがWeb3.0の世界です。
これ自分で書いてて笑ってしまうんですがすごい恐ろしい世界ですよね。
- 悪意のある投稿データも消せなくなる可能性がある
悪意のある人にとっては永遠と相手にダメージを残せるわけです。
Web2.0では検索エンジンは管理者がいますので管理者にお願いすれば検索結果から個人情報を消せる可能性もあります。
しかしWeb3.0は中央集権的ではなく分散的な世界です。
みんな好き勝手にデータを投稿して取得するわけなのでだれにも止めることはできません。
ガス代が高い
Web3.0は分散型アプリが動く世界です。
分散型アプリを動かすのはブロックチェーンを使っているプラットフォームです。
プラットフォームを利用するにはガス代と呼ばれる手数料が必要です。
このガス代はブロックチェーンを維持しているマイナーと呼ばれる人たちに支払われます。
- ガス代はマイナーに支払われる
イーサリアムの利用にはガス代がかかる
分散型アプリの有名なプラットフォームにイーサリアムがあります。
このイーサリアムでもガス代が必要です。
2022年現在ではイーサリアムのガス代はだいたい20ドルぐらいが多いようです。
1回の取引でそれだけかかるんですから結構高いですよね。
🦝 < 手数料が高い
🐭 < 手数料はらえない!
本当に分散型アプリなの?
分散型アプリというのは中央集権的なパソコンを必要としないアプリのことを言います。
しかし現実はどうでしょうか。
すでに分散型アプリと呼ばれるアプリは多数ネット上に公開されています。
しかし現在の分散型アプリは完全なWeb3.0ではなくWeb2.0にも依存しています。
果たして分散型アプリは本当に分散的なのでしょうか?
スマートコントラクトは分散的に実行できるが・・・
分散型アプリはスマートコントラクトというプログラムを実行するアプリです。
スマートコントラクトはブロックチェーンに書き込まれてプラットフォーム上で動かすことができます。
スマートコントラクトはブロックチェーン上の仮想通貨などの取引を自動化します。
つまりスマートコンラクト自体は分散的に実行可能になっています。
- スマートコントラクトは分散的に実行できる
スマートコントラクトを使うインターフェースはWeb2.0のままでは?
しかしスマートコントラクトを呼び出して実行する部分は実はWeb2.0のままになっています。
現状の分散型アプリでは。
つまり中央集権的なサーバーがあってそのサーバー上でスマートコントラクトを動かすアプリを公開してそれを使ってもらうわけです。
この形態を見るとこれは完全な分散型とは言えない、というのが筆者の感想です。
- 現在の分散型アプリは完全な分散型ではない
言ってみればWeb2.0とWeb3.0のハイブリッド型アプリが現在の分散型アプリですね。
じっさいちまたで公開されている分散型アプリはWeb2.0なブラウザから使うことができます。
たとえばOpenseaというオークションサイトなども分散型アプリということができますが、これも普通のWebブラウザで利用できます。
そのうち分散型Webブラウザが誕生するのか?
そのうち完全な分散型アプリが誕生するのでしょうか?
そうするとそれを見るための分散型Webブラウザが必要になると思います。
- 分散型Webブラウザの誕生が待たれる
P2Pネットワークでデータをやり取りして稼働するブラウザ。
そしてブロックチェーンのデータをリッチに閲覧できるようになる。
ということになりますが今のところそのようなブラウザはまだできていないようです。
悪意のある個人の力が大きくなる
それからWeb3.0では悪意のある個人の力が強くなるという問題もあります。
Web3.0は個人主義の世界です。
個人主義、つまりアナーキー寄りの世界ですね。
- Web3.0は個人主義の世界
そうなると個人の力が増大します。
ですので悪意のある個人の力も強くなるという予想ができます。
ハッカー大活動時代?
もうすでにハッカー(ブラック・ハッカー)は世界中のいたるところで活動しています。
普通にWebに触れているとあまり実感できませんがこれは彼らが隠れて行動しているからです。
サーバーを運営してみるとわかりますがハッカーのサーバーへの攻撃というのはそれこそ毎時間、毎分ペースで行われています。
これはみなブラックハッカーの活動です。
- ブラック・ハッカーはめちゃくちゃ活動している
個人主義が強いWeb3.0の世界ではこのハッカーの力も増大すると予想できます。
ハッカーは力が強くなりその活動もより積極的になっていくと思われます。
悪意のある分散型アプリで溢れる?
分散型アプリはプログラミングスキルがあれば作ることができます。
もちろん悪意のあるハッカーもそうです。
そうするとハッカーが作った分散型アプリがたくさん世に放たれると予想できます。
じっさいP2Pの問題としてウィルスがたくさん存在してしまうという問題があります。
- ハッカーの作ったウィルスがいたるところに?
ブロックチェーンはパブリックな世界で悪意のある行動は記録されますがそれでもハッカーの活動は止まらないでしょう。
記録されるのはハッカーの個人情報ではないからです。
そのためハッカーがウィルスを作ることを止める力はブロックチェーンは持っていないと思われます。
P2Pは無法地帯?
匿名P2Pの世界は無法地帯になりやすいです。
匿名P2Pはまさにアナーキーな世界と言えるでしょう。
ブロックチェーンはどうでしょうか?
ブロックチェーンはパブリックな世界です。
個人が持つアドレスは記録され公開されます。
- ブロックチェーンはパブリックな世界、しかし・・・
しかし個人の持つアドレスと個人情報を紐づけるものは今のところありません。
非匿名でアドレスを公開すればそのアドレスと個人は紐づきますが、アドレスを公開しなければそのアドレスが誰のものかはわかりません。
ですのでWeb3.0は性質的には匿名世界の性質を強く持っています。
このため匿名P2Pの性質もそのまま引き継がれると予想できます。
無慈悲!自己責任世界
Web3.0は個人主義の色が強い世界です。
個人主義というのは自己責任の割合が大きい主義です。
- 個人主義は自己責任の世界
そのためWeb3.0も自己責任の世界になると予想できます。
個人主義の世界といえばたとえばアメリカなどがそういう世界ですね。
また最近の日本も新自由主義的な個人主義が強い世界になってきています。
日本にいると自己責任というワードをよく見かけると思います。
失敗を誰も保証してくれない
Web3.0の世界では失敗は自分の責任なります。
つまり誰もその失敗を保証してくれません。
ビットコインを失ってしまったらその失った分は戻ってきません。
なんの保険も保証もないからです。
- Web3.0は保証が難しい世界
そういう世界がWeb3.0の世界です。
この自己責任の色が強いWeb3.0はこれから改善されていくのでしょうか?
また情報弱者の人たちをどのように守ればいいのでしょうか?
情報弱者をどのように守る?
情報弱者というと聞こえは悪いですがこういう呼ばれ方をする人は世の中たくさんいます。
こういう人たちはハッカーのターゲットにされやすいです。
Web3.0ではハッカーの力も強くなりますのでそうすると情報弱者の人たちも狙われやすくなります。
こういう人たちを守る仕組みは現状Web3.0にはありません。
- Web3.0では情報弱者は不利になりやすい
ですのでこういった情報弱者の人たちを守る仕組みが必要です。
しかしそれを実現するのは難しいでしょう。
弱者はハッカーの餌食に?
たとえばハッカーが悪意のある分散型アプリを作ったとします。
そしてそれを情報弱者の人達に利用させます。
そうすると情報弱者の人の仮想通貨がごっそり抜かれてハッカーのものになる、というのがあり得ます。
- 仮想通貨がハッカーに狙われる
じっさいWeb2.0ではハッカーはあの手この手を使ってマネーを抜き取ろうとしています。
これがWeb3.0ではハッカーはマネーの代わりに仮想通貨を抜き取ろうとするわけです。
Web3.0では情報弱者の人達は非常に狙われやすくなるという予想ができます。
おわりに
今回はWeb3.0の問題点を考えてみました。
Web3.0はP2Pなど技術的には非常におもしろい世界と言えます。
技術者であれば興味が出るのが普通でしょう。
しかしその問題点はこうしてみると結構多いことがわかります。
これらの問題点はこれから改善されていく可能性もありますのでこれからのWeb3.0を要チェックですね。
🦝 < Web3.0を要チェックや!
🐭 < ビットコインもね